2012年6月15日金曜日

これからのことについて。

久々に告知以外のことを。




僕は90年代の終わりにDJを始めて、もう15年近くなるんですが、どの時期になっても違和感を感じていて、それを大切にすることが大事だな、と常々考えています。

違和感というか、心の渇きというか、いつも現状に対して、まだやれてないことがあるんじゃないかとか、自分がやるべきことはあるんじゃないか、というような、模索するような、そんな状態が僕の中ではもう15年近くも、ずっと続いているわけです。同じような違和感を抱えているわけではなく、その時、その時考えていること、感じていることがあり、それを見つめるようにしています。

あらためて文面にすると並の精神状態じゃないなと…それはそれで違和感がありますが…。

よくモチベーションが続きますねとか、よくやるな…とか、まだやってんの?とか反応は様々ですが…僕自身としては何か変わったことをやりたいわけでもなく、自分自身がDJとして成長していく時に、パーティーとどう関わるか、シーンとどう関わるか、ということは大事だな、と思っていて。つまるところ、DJ を続けるということは一貫して“関わること”だと思っています。

乗っかるんじゃなくて、前のめりに“関わること”。

僕ここでも、何度も書いていますが、2005年くらいまでまともにDJのオファーが来るような状態じゃなくて、レギュラーなんて贅沢なものを、そして自身のパーティーを主宰するような機会が来るなんて思ってもみないくらいの、それくらいの感じでした。

その時は何ヶ月も先に決まったオファーだけど、DJできることが嬉しくて、その日を楽しみに、せっせかせっせかレコードを掘りまくっていました。週末は遊びに出かけて、自分がDJできるチャンスがないか、とか色々とアプローチをし続けていました。

その中でもターニングポイントとなるようなお誘いというのは、たくさんあって、それがなかったら…とか今でもよく考えます。それくらい誰かから誘われる機会って重要なんだ、と身に沁みて感じているわけです。

その誘ってくれた人達の中には、今でもよく遊んでいる人や、なかなか会う機会がない人もいて自分との関わり方はそれぞれ違いますが、その機会を与えてくれたことを忘れないこと、こうやって語っていくことがその人達とまたつながることができるかも、と思っていて、そういう気持ちで常にいるんです。

きれいごとじゃなくて、本当に。

だから、DJとか、少なくとも表現をしたいという欲求があるのであれば、常に何かしらの行動が伴わなくては続かないものなんだと痛感しています。特に僕のように現場に通うことでしか経験値を上げることができないタイプは。

僕がもし仮にただ楽しいから、とかっていうような気持ちだけでDJをやっていくのであれば、たぶん続けていくのは難しい。

続けるられるかどうか、それは目指しているものがあるか、どうかじゃないかと。虚空をつかむようなものだとしても…つかみたい何かがあるかどうか。その欲求。

1990年代の頃の渋谷のクラブは小箱から大箱まで、人が溢れていました。今では盛り上がっているハコ、閑散としているハコ、パーティー次第によってがらりと変わります。ナイトライフ、パーティーライフの遊び方は驚くほど変わったとよく感じています。クラブだけでなく、飲み屋も含め、週末深夜の閑散とした渋谷界隈を夜歩いていると、少し寂しい気持ちになります。

DJもレコードを扱うことが主流だった時代から随分と変わって、言葉は悪いですが…DJというのを割と予備知識無しに誰でも始めることができる状況になった気がします。それはある意味とてもいいことですが、扱う媒体が変わったことだけでなく、クラブでDJすることがこんなにハードルが低くなる時代は、20代前半ほとんどDJできなかった僕からすれば、恵まれているな~、羨ましいな~と率直に感じます。

夜遊びをする人は減り、DJすることのハードルは下がるということ、それはずっと言われ続けていますが、発信者と受信者が同一化していく傾向が年々高まっていることです。

いつも感じていることですが、DJをある時期までやっていて、やめていく人達がそれ以降あまりクラブに足を運ばなくなること(発信者であることが遊びに行くことの動機になっている)

そのプレイヤーとしての自分にしかある程度興味がない姿勢、って僕にとってはとてももったいないことに思えて。そのこと自体がDJを面白くないものにしているように感じていて。

これは若いDJだけじゃなくて、いわゆる上手い、DJ歴の長い人でも、同じように思える時があります。(僕も歴はそこそこ長いだけですが…自戒も込めて…。)

楽しければいいというのが、実は次のステップに踏み切れない、言い訳にしてしまっている時が自分にもあったりします。

ハードルが低くなっていくことは、新しい現場に飛び込む貪欲さを、いつの間にか失っているのではないかと、自問自答します。

好きなことくらい僕は真剣に関わっていたいし、高みに近づけるように、努力したい。そこをやった上で貢献できること、語れることもある。

だから仮にDJやオーガナイザーに限界を感じてやめたとしても、やってきたことに誇りを持っていたいし、それぐらいやりきりたい。そして、レコードを買ったり、遊びに行くことは細々とでも続けていきたい。

発信者としてパーティーに関わるのも好きですが、好きな時に行って、好きな時にふらりと帰る、ただただ遊びに行くだけっていうのも本当に好きです。

クラブ通いは若気の至りなんて…本当に的外れで、むしろこれは年を経れば経るほど、わかっていくことなんだと。

楽しめる層は厚くなったほうがいい。世代間の溝は互いに敬意を持つことで埋まるはずです。それぞれ同じような心意気さえ持っていれば。

DJを、何かを続けることを、そういうものだと感じる人が増えていくことこそがパーティーライフがより豊かになるし、人生も豊かになると僕は信じています。

自分でやった経験があり、挫折して仮にやめてしまったとしても、やってきたことに意味を見出して、関わり続けること。

そういうことが、この時代に問われているんじゃないかと、あらためて感じています。

憂いたくなる今の現状を嘆くだけじゃなくて、今まず自分がやるべき、やりたいことをきちんと見据えていきたいです。

混沌とした中だからこそ、ブレないことが大事と思っています。

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