2009年2月28日土曜日

今日の一枚 D'angelo 「VOODOO」



今日の一枚

D'angelo「VOODOO」

昨日の「FEEL LIKE MAKIN’ LOVE」つながりで、いきなりディアンジェロへ。

ネオソウル(懐かしい!)の旗手、ディアンジェロのセカンドにあたるこのアルバム(以降彼はアルバムをリリースしていませんが)は、僕にとってブラック・ミュージックとは何かというのを知る手掛かりになった一枚です。「VOODOO」というタイトルとマッチョなジャケとで、その音楽を知る人でなければなかなか手に取ることのない一枚ですが、音楽に対してここまで誠実で繊細なアルバムはなかなかないと思います。多くの人が、ディアンジェロをアルバムをたった2枚しか発表していないのにも関わらず、それでもブラック・ミュージックの正統な継承者だとするのも前作「BROWN SUGAR」とこのアルバムがあまりにクオリティーが高過ぎるためでしょう。


最高の声と、超一流のミュージシャン達による、一切の無駄を削ぎ落とした濃密なこの音楽は、CDで千数百円で聴くことができます(なんて贅沢なんだろう!!)。まさに一家に一枚なアルバムなんで、是非聴いてもらいたいです。

僕はこういう音楽を好きな人が本当にお洒落なんだと思っています。ディアンジェロが来日するなら、いくら払ってもいいから、ライブを見てみたい。

2009年2月27日金曜日

今日の一枚 Ana Mazzoti 「ANA MAZZOTTI」



今日の一枚

Ana Mazzoti 「ANA MAZZOTTI」

アジムスはマルコス・ヴァーリを始め、たくさんのブラジルのアーティストの作品に参加しているんですが、そのなかでもアナ・マゾッティとのこのアルバムは出来栄えが素晴らし過ぎて、ため息が出ます。


特に聴いてほしいのは、「FEEL LIKE MAKING LOVE 」のこのカバー!!僕も大好きなこの曲をまさにアジムスなアレンジで、原曲の良さをたっぷり引き出しています。

それにしても、これを随分昔ですが再発したWHAT MUSICには頭が下がります。再発のラインナップは本当にブラジル音楽が好きな人でなければできない丁寧な仕事だと思いますね。

2009年2月26日木曜日

今日の一枚 Azimuth 「AZIMUTH」



今日の一枚 

Azimuth 「AZIMUTH」

実はマルコス・ヴァーリの日本公演はなぜか何度も見ていて、その中でも特に素晴らしかったのが、10年近く前に行った盟友アジムスを連れての、BLUE NOTE東京でのライブ。もうアジムスのパフォーマンスが凄過ぎて(そして遊び心たっぷり!!)、感動しました。

アジムスはブラジル最強のフュージョンバンドなんですが、やっぱりこのファーストアルバムが本当に好きで。ブラジルに関しては持っているほとんどのアルバムはオリジナルで所有しているんですが、アジムスのファーストもオリジナルで持ちたかった一枚。音質がやっぱり違います。


再発も7インチで出た「MANHA」もこのアルバムに収録されています。ブラジリアン・メロウ・フュージョンの最高の一曲ですね。

2009年2月25日水曜日

今日の一枚 Marcos Valle 「PREVISAO DO TEMPO」



今日の一枚 

Marcos Valle 「PREVISAO DO TEMPO」

昨日とりあげたタンバ・トリオの「SONHO DE MARIA」という曲はブラジルのシンガーソングライター、マルコス・ヴァーリの手によるものなんですが、今日はそのマルコス・ヴァーリの中でも最もストレンジかつ、熱狂的なファンも多いこのアルバムを。




それにしてもすごいジャケだ…。僕はこれをやはり15歳くらいの時に聴いたんですが、予想していたボサノヴァ的なものとのあまりの違いにビックリしてしまい、全然聴かなかったアルバムですね。聴き直したのは大学生になってからかな。

今聴くとヴァーリの時代を先取りするポップセンスと、バックを支えるアジムスの独特のグルーヴが混然一体となって、このアルバムにしか出しえない魅力を醸し出しております。音響派と言われた人達にこのアルバムの支持者が多いのもわかります。

個人的には最近はもっぱら80年代のヴァーリばっかり聴いています。ディスコ、AORを取り入れたサウンドにもやっぱりヴァーリらしさを感じるのは素晴らしいですね。


2009年2月24日火曜日

communication! 1st Anniversary!!!!!





おかげさまで今日フライヤーがあがりました。
野口さん、本当にありがとう!!!早い対応に感謝です!!!
仕上がりもキレイでした!!!
みなさん、フライヤー、名刺等の印刷物は印刷の余白Labに頼もうぜ!!!


しかも、早速、高橋透さんのLuv&Dub Paradiseのウェブトップページにもcommunication!情報あがっているので、確認してみてください!アガル!!!


というわけで、下記パーティー情報です!是非3月28日、みなさんと一緒に過ごすことができれば幸いです。値段も据置き、ディスカウントゲストで1500円1drinkで入場できます!


communication! 1st Anniversary

09.3.28.sat
22:00open
door2000/1d

@青山蜂

http://www.aoyama-hachi.net/
いつも<communication!>に来ていただいている皆様、いい音楽で常にフロアを満たしてくれるレジデントDJ達、圧倒的な存在感で僕らを魅了し続けてくれるVJ・BLIND ORCHESTRA、パーティーを一緒に支えてくれている青山蜂スタッフ、今まで出演いただいたゲストの方々、そして、これから(これからも)、<communication!>に来てくれる皆様…2008年2月9日、その年1番の大雪の夜に始まったパーティー、<communication!>は、「人と人がつながる+音と音がつながる」をコンセプトに、とうとう1周年を迎えることができました!!本当にありがとうございます!!!その感謝の意をこめて、今回はアニバーサリーゲストDJとして、日本・NYのクラブ創生期からDJ活動を続ける、“GODFATHER"高橋透さんをお招きします!!!!しかも3Fフロアでのロングセット!!!もちろん、レジデントDJ達やBLIND ORCHESTRAもいつも以上に気合いが入っております!!素晴らしい音楽を感じながら、この1周年の夜を是非一緒に祝ってください!!!まずはこの夜を、そして2年目を迎え、さらに面白くなる<communication!>を宜しく御願い致します!!!!

【GUEST DJ】高橋透(Smoker/GODFATHER/Luv&Dub Paradise)


1976年よりDJ活動を開始。"TSUBAKI HOUSE" "TSUBAKI BALL" "CLUB-D"などのメインDJとして、常に最先端のクラブで活躍する。その後、NYのクラブシーンへの興味が高じて1985年に渡米し、クラブ・ミュージックの聖地とされる"PARADISE GARAGE"にて、故LARRY LEVANの薫陶を受け、その音楽性に強い影響を受ける。 1989年、芝浦"GOLD"オープンのため、DJ&サウンドプロデューサーに就任。土曜日のメインDJとして、ハウス・ミュージック/ガラージ・サウンドを広く浸透させ、東京のクラブシーンに文字通りの「黄金時代」を築いた。 現在も"GODFATHER"などでMOODMANらと、SmokerではDJ NORIらと精力的な活動を展開。

【2ND FLOOR PRODUCED BY】 teppei(an informal party、modalcode)
≪2ND FLOOR'S DJ≫
Yosuke Ikeda
鎌倉BOYS
Kawane Kouji
Dai Matsui
haraguchic
comine
goto
teppei+Kenny
【3RD FLOOR PRODUCED BY】mon-chuck(an informal party、Electronic Massage)
≪3RD FLOOR'S DJ≫
dextrax
SCANDAL
mon-chuck
MRKSK
キャロライン.Sachiko
【4TH FLOOR PRODUCED BY】 nnn(an informal party、summernude)

≪4TH FLOOR'S DJ ≫
yanfuji
rockability
matsuzaki
machida machiko
nnn
numabooks
mom
KNK

【VJ】 BLIND ORCHESTRA

【TOTAL PRODUCED BY】 haraguchic(communication!、sweet memories)

今日の一枚 Tamba Trio 「AVANCO」



今日の一枚

Tamba Trio「AVANCO」

ベベートのヴォーカルといえば、僕が初めてボサノヴァというものを意識したのも、彼のヴォーカルでした。タンバ・トリオのセカンドアルバム、「AVANCO」に収録されている「SONHO DE MARIA」という曲を確か15歳くらいの時に聴いて、衝撃を受けたんですよね。目当ては当時、ナイキのCMで使われていた「MAS QUE NADAI 」だったんですけど…。このアルバムは60年代のブラジル音楽の雰囲気を知るにはうってつけの一枚だと思います。当時のリオの最先端の音がここに詰まっています。



このCDはサードアルバムの「TEMPO」もまるまる収録されていて、美味し過ぎる一枚ですね。

2009年2月23日月曜日

今日の一枚 Bebeto 「BEBETO 」



今日の一枚

Bebeto「BEBETO」

70年代からスタートする後期タンバ・トリオのブラック、ブルーもとてもよいのですが、僕がアルバムとして特にお気に入りなのが、このベベートのソロアルバムです。

これも僕のMIXCDのvol.2に「BATUQUE」(このアルバムには1曲目に収録)が入っていますが、ブラック、ブルーと違い、全体的にベベートのヴォーカルがフィーチャーされていて(ソロだから当たり前か…)、そのジョアン・ジルベルトに肉薄したと言われるヴォーカルの円熟した魅力を堪能できます。

数年前にレコード、CDともに再発されていますが、今はもしかしたら新品では手に入らないかも…。これをリイシューしたWHAT MUSICにはヤラレました。僕は一応、オリジナルブラジル盤を愛聴しております。

2009年2月22日日曜日

今日の一枚 Luiz Eca-Bebeto-Helcio Milito 「TAMBA」



今日の一枚


Luiz Eca-Bebeto-Helcio Milito 「TAMBA」


昨日とりあげたルイス・エサの活動の中心となったグループ、タンバ・トリオは、60年代の中盤にはその当初のメンバーであった、ルイス・エサ(ピアノ、アレンジ担当)、べべート(ベース、フルート、ヴォーカル担当)、エルシオ・ミリート(ドラム、パーカッション担当)での活動は終わりを迎えるのでした。


そして、1974年、オリジナルタンバ・トリオのメンバーでまた一枚のアルバムが出ます。それがこのアルバム「TAMABA」です。ジャケが黒いので、この次にリリースされるアルバムが青いジャケなのと対比して、通称ブラック・タンバと呼ばれているアルバムです。それまでと違い、時代を反映してか、エレクトリックな面を強く打ち出していますが、その音楽性の根本は変わらないまま、むしろより高い理想に向けて創り上げた一枚です。





僕のMIXCDのvol.2の一曲目「PRA MACHUCAR MEU CORACAO」は、これに収録されています。僕の最も好きなブラジル音楽の曲ですね。ルイス・エサのエレクトリック・ピアノと完璧なアレンジ、ベベートの神がかったヴォーカル、エルシオ特有のリズムセクション、三位一体となって、至高の音楽を展開しています。



2009年2月21日土曜日

今日の一枚 Luiz Eca 「LUIZ ECA & CORDAS」


今日の一枚

Luiz Eca 「LUIZ ECA & CORDAS」

昨日、ルイス・エサの楽曲を紹介したので、今日はその1965年のソロ名義作品を。

その前に軽くルイス・エサについて。
彼はブラジルを代表するピアニストで、主に60~70年代に活躍したタンバトリオというグループの中心人物です。ウィーンにクラシック音楽を学ぶために留学していたということもあり、そのピアノ、作曲や編曲センスは、クラシックの影響を強く感じさせます。それでいてブラジル人ならではの独特のリズム感覚も持ち合わせていて、彼が関係している曲には全てに彼らしさが溢れていて、一聴すればすぐに、彼の演奏だったり、曲だったり、アレンジだったりというのがわかります。昨日紹介した「DOLPHIN」という曲も例外でありません。それぐらい独特な表現をもった音楽家ですね。

今日紹介するアルバムは彼の音楽を最も色濃く反映した作品です。ジャケを見ると60年代のムードミュージック 、イージーリスニングのようですが、その対極のような音楽を聴くことができます。
こんな優雅な音楽で迎える休日の朝も素敵ですよ。

ちなみに僕は日本盤のレコードしか持っていないんですが、こちらのジャケもダサイです。これはこれで、1978年にリリースされたこともあって、フュージョン全盛の時代のイージリスニングなジャケで嫌になります。本当に真逆な内容なんですけどね。それにしても、ブラジル音楽の日本盤のジャケってなんであんなにヒドイのかな。そんなジャケでもよければ、1000~2000円中古で買えるはずです。


2009年2月20日金曜日

TECHNOLOGY STOLE MY VINYLE

Moodymannのアナログの高騰ぶりがヤバイです。
「TECHNOLOGYSTOLEMYVINYLE」のオリジナル12インチが5000円以上って…。買っててよかった…。
Moodymannはほとんどアナログで持っていて、KDJやMAHOGANI MUSICレーベルの中古で安い時に買った12インチとかが3000円近くするのを、今見るとビビリます。ダブっている12インチ数枚をこの間売りに行ったらけっこうな金額になりました(もう既にレアグルーブの域だ…)。ビートポートとかでMoodymannってダウンロードできるかどうかは知りませんが、最近CDで「Mahogany Brown」が出たばっかりなんで、持ってない人は是非是非。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3508924

あとは本人による自身の音源のMIX「MOODYMANN COLLECTION」もイイヨネ!
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1272643

今日の一枚 Bill Evans 「FROM LEFT TO RIGHT」



今日の一枚

Bill Evans 「FROM LEFT TO RIGHT」

この間、ようやくオリジナル盤買いました。
ビル・エヴァンスとフェンダーローズってだけで最高ですね。ルイス・エサ作曲の「DOLPHIN」はエヴァンスとエサの至福の解逅。
http://www.amazon.co.jp/Left-Right-Bill-Evans/dp/B00000DLUO/ref=sr_1_17?ie=UTF8&s=music&qid=1235104736&sr=1-17

2009年2月18日水曜日

ブログ再開。Q-TIPとヴィットリオ広場のオーケストラ



ブログ再開してみました。



最近は、持病の胃炎だったり、パーティーだったり、DJだったり、風邪ひいたりで、もちろん仕事もしているんですが、1月からずっと慌しい状況が続いています。

そんな中、行ってきました、Q-TIP!!!世界で最もオシャレな男の1人!!!

自分、COMMONやSLUM VILLAGEのライブに行ったり、JAZZY JEFFのDJ聴きに行ったり、意外と要所要所でHIPHOPのアーティスト来たら遊びに行っているなーと思いました。やっぱHIPHOP好きみたいです。

さてさて。僕は横浜ベイホールの公演を見に行ってきたんですが、もう1人で汗だくになってきました。
なにしろ、ベイホールが小さい会場で、びっくりしました。会場自体にも人はけっこう来ていたんですが、そのおかげか、なんなく最前列で見ることができました!

肝心のライブはというと、もう圧巻です…。会場の関係だと思うんですけど、アンコールはなかったんですが、ブチあがりました!!!
ニューアルバムからだけではなく(みなさん買いましたか?)、ATCQ時代の名曲、Bonita Applebum、Check the Rhime 、Scenario、Award Tour 、Electric Relaxation 、Find a Way …なんかを、生バンドをバックにQ-TIPがライブするわけです。スピーカーによじ登ったり、何度も倒れこんだり、MPCを叩いてみたり、縦横無尽に小さいステージを駆け回る彼に感動しました!間違いなく世界を代表する音楽家なのに、日本に来て、こんな小さな舞台で、精一杯のパフォーマンスをしているのは、凄すぎます。
MOS DEFも来日しますが、Roots同様、ビルボード東京でのパフォーマンスなんですよね。Q-TIPもこのメンバー編成なら、そういう所でライブもやれたんでしょうけど、ブルーノート東京とかコットンクラブとかビルボードじゃなくて、よかったです!あそこじゃ、叫んだり、踊れないし。そういうところもなんかよかったなーとしみじみ。

いちリスナーとしての音楽の楽しみ方を取り戻した気がした一日でした。そういう視点をDJやパーティーをやる側としても還元していきたいです。


そしてそして…。
やっとDVD化したんで、「ヴィットリオ広場のオーケストラ」を観ることができました!
http://www.vittorio-hiroba.com/

映画と音楽が好きな人には是非観て欲しい映画なんですが、ざっくり概略をここに書くと
ローマ旧市街のヴィットリオ広場にある「チネマ・アポロ」という映画館(劇場)を潰させないために、文化の多様性を信じる市民達が、移民達を巻き込み、オーケストラを創設するまでの、ドキュメンタリーフィルムです。
オーケストラといっても世界各国の移民の音楽家達が、それぞれの楽器を持ちより、ありとあらゆる国の(ある意味で、どこの国にも所属していない)音楽を奏でるといったものです。
劇中で流れる演奏が本当に素敵で、映画の出来栄えも素晴らしいものでした。

こういうふうな市民活動としての、音楽活動って、理想ですよね!損得勘定云々じゃなく、生活を良くする(楽しくする)ために、DJやパーティーをやっていきたい!という自身の原点をあらためて振り返ることができたし、なにより、そういう活動こそが、実はいい音楽を生む環境を支えているんだと思います。

もちろん、たくさんの人に一度に伝えることができる規模や媒体って重要ですけど、それよりも、真摯に自分の音楽を伝えたり、楽しむための努力をしているかが大切だとやっぱり思います。
そういう絶え間ない努力を、僕ら市井の人達がしている(できること)が、きっと社会の強度を決めるんでしょうね。音楽に限らず、そういう市民活動を支えていきたいです。

映画を観て思い出したこともありました。僕が数年前に、PINK COWという外国人ばかりが集まるレストランで行われる「ARTSY BUGS」というパーティーで、定期的にDJをしていて、そこで様々な国の民族音楽をライブで聴いて、音楽がきっかけになり、たくさんの外国人や日本人の演奏者と仲良くなったりしたこと。
あの時は今みたいにDJできる場所にも恵まれていなくて、DJする場所が欲しくて単身飛び込んでいって、その結果、そこで定期的にDJできたことが本当に嬉しかったんですよ。与えられた少ない時間とパーティーが終わった後の通常営業時間にDJできるのが楽しみで楽しみで。あー、懐かしい。
そういう気持ちを忘れずに、これからもDJやパーティーをやっていきたいですね。
たぶん、努力って続けていくことなんで。

Q-TIPにもマジで勇気もらいました!!!


※24歳くらいの時?写真の右後ろでDJしているのが僕です。これはこの外国人の女性アーティストがライブペインティングした時に、それにあわせてDJしていた時の写真。