2010年9月11日土曜日

引き続き、北アルプス登山の話

前回からの続きってほどでもないですが…北アルプス山行の話を。


写真の通り、3日目までは驚くほどの好天の中での登山でした。

3日目。午前4時過ぎには起きて、ヘッドランプをつけながら槍ヶ岳に登頂。ご来光を拝み、最高の朝をむかえることができました。

そして、テント場に戻り、陽の光を浴び、眼下に広がる雲海と山並を眺めながら、朝食をとって、コーヒーをすすります。山ならではの贅沢。

一息ついたら、テントを乾かし、さくっと畳んでザックにしまい、次の目的地、南岳へ出発しました。

ここまではよかった…。ここからがなかなか思うようにいかなくなります…。

4ヶ月ぶりという久々の登山だったことや、4泊5日の単独行のため、やはり荷物の量がハンパなく、大喰岳→中岳→南岳という槍と穂高を結ぶ稜線上でアップダウンを繰り返しているうちに、早々にバテてしまいました…。前日の横尾→槍ヶ岳山荘がかなり長い行程だったので、その疲れも残っていたのかもしれません。

ということで、元々のスケジュールも南岳でテントで1泊予定だったので、大キレットを目前にし、そこで腰を落ち着けてしまいました…。天候はバッチリでしたが、体力的に不安がある中でキレットの断崖を重い荷物を担いで渡り切れるかどうか…正直無理はしたくなかったので、翌日早朝から狙うことに。

で、4日目の朝…。昨日とはうって変わって、前夜からの突風は全く止む気配なく、テントがぐわんぐわん揺れており、予想外に天候が悪化しております。もちろん、テントの揺れがひどいので何度か起きてはいるんですが、いつか止むだろうとタカをくくっていても、ひどくなる一方…。ということで、朝食をささっと済ませて、嵐の中テントを撤収。とりあえず、南岳小屋でコーヒーを飲みながら様子を伺うことに。

小屋にいる人達と色々と話をしてみると、どうも台風が進路を変えてこちらに向かってきていて、かつその台風に影響されて前線が活発になってしまっているらしく、稜線に吹きつけているこの突風はそのせいではないかとのこと。

そんな悪天候の中無理してキレットを渡って滑落してしまったら、まず助からないだろうな~と思い、下山することにしました。一応、天候もしくは体調不良時の下山ルートも想定して南岳で一泊していましたし。

午前8時過ぎ、荷物をまとめて、装備を整え、南岳から天狗原に下って槍沢まで戻ることに。

ただ…。稜線を歩くだけでかなりしんどい…。突風で気を抜くと体が倒されそうになるのにビビリます…。これはけっこうハードだな~と思いながらも、前日ゆっくりしたせいで体力的な不安はないので、あせらず進むことに。途中で平然としている雷鳥のつがいがいて、そのふてぶてしさにホレボレ。ちょっと気持ちが軽くなりました。

「これで天気が良ければ、キレットは問題なかったよな~」と内心思いながら、稜線の裏にまわるようにして天狗原方向に下りて行くと、風がだんだんとおさまっていきます。

「あれっ。天候よくなっているんじゃない???」と思いはじめ、それとともに「キレットを渡りたい!」という気持ちがどんどん強くなっていきます。

1時間近く下ったところで、やっぱり稜線まで戻ろう!と思って、また登り始めました。体力的には余裕があるのに、目の前にして行けないのはあまりにもったいなくて。

稜線にたどりつくと、相変わらずの突風…。キレットの方からはゴォーという不穏な音が聞こえてくる…。

これは稜線の風がおさまることはないな…と思い、潔く引き返して下山することにしました。このときはちょっと切なかったです。

天狗原→天狗池→槍沢→横尾を経て、徳沢にざっと7時間くらいかけて到着。

この日は徳沢でテントを張り、一泊することに。ほぼほぼ今回の北アルプス山行を終了した形です。下界で飲むビールがまた美味かった。すぐに酔っ払ってしまいました…。

5日目は珍しく8時前まで朝寝して、雨の上高地を散策しながら、河童橋に到着。毎度御世話になっている上高地温泉ホテルまで足をのばして、温泉にゆっくり浸かって、4泊5日の休暇も終了となりました~。

大キレットを越えられなかったのは残念でしたが、今までまともな天気にほとんどなったことのない上高地、涸沢、穂高での日々を想えば、槍ヶ岳にああいう形で登頂できたことは、最高の想い出となりました。

特に怪我することもなく下山することもできたし。すごく楽しい登山でしたね。


ちなみに…

今回かかった費用は、家から上高地までの交通費、持ち込みの食費、ビール代、テント場代など込み込みでナント25,000円くらいです。

山は初期投資はハンパなくかかりますが、道具は長持ちするものが多いし、何よりこんだけ遊び倒してもこれくらいしか旅費自体はかからないのが魅力です。


今回の反省点としては

・自身の体力に問題があったこと。

ゴールデンウィークから3ヵ月登山をしない中でのこの4泊5日はなかなか体がついていかなかったです。ようやく体が慣れてきた4日目に天気が崩れるのは、よかったのか、悪かったのか…。ともあれ、普段からのトレーニングが必要だと痛感しました。


・荷物が重かった!

4泊5日にしてはコンパクトにまとめたな~と思いつつも、まだまだ軽くできるかなと。
まず、テント。僕の愛用しているタフライズ2はその名の通りタフで使い勝手もよく、しかも2人用なんで広々としていてメリットも色々あるんですが、若干重いな~と思ってしまいました。しかも濡れると重さは倍近くになるので、それがまた辛い…。長期の単独縦走などを考えると、生地が薄くて、もう少しコンパクトな、トレックライズ0か1あたりの購入を検討したいです。

また、この4泊5日であまり使わなかったものもけっこうあったので、ガスや電池の予備も含め、もう少し持っていくものを絞れば、さらに軽くできそうです。

1.5~2kg軽くできれば、体力の消耗も相当違ってくるはずなので、今後改良していきたいところですね。


そういえば、食料に関しては、ほぼほぼピッタリの量で収めることができたのは、嬉しかったです。そういう意味では、今後献立を考えていくうえでも今回は有意義な山行となりました。

今回の経験は次の登山に生かしたいですね~。

しかし…9月の連休はとてもじゃないけど山に出掛ける余裕はなさそうです…。涸沢の紅葉みたかったけど…。


なので、10月以降はこんな山行を考えています。


奥秩父、瑞牆山と金峰山の2泊3日テント泊

奥多摩、雲取山のスノートレッキング

丹沢山塊の小屋泊縦走

高尾山→陣場山縦走



夏山シーズンは終わっちゃいましたけど、これからのシーズンも楽しみです~。


2 件のコメント:

りょうたろう さんのコメント...

遅ればせながら、山行日記を拝読させていただきましたー!山いいですね!自分は山小屋泊が多いんで、テントでの縦走は憧れますね~。テント購入を検討します!

haraguchic さんのコメント...

すごくコメントの返信遅くなりました!

テント購入是非!!!

今年は一緒に登りに行こうぜい!!!