2012年12月26日水曜日

communication!について。

communication!を始めた頃からずっと考えてきたことに、世知辛い世の中に生きるサラリーマンにもソウルはある、みたいな割とベタなテーマがあります。

サラリーマンというのは、別に男女関係なく、それこそフリーランスとかも関係なく、マインドとしてサラリーマン的というか、こう、鬱屈としてる感じというか。

仕事をしながらDJを続けるというのは、仕事ではないどこかで勝負したい、遊んでいたい自分っていうのがいるからだと思っていて。でも周囲のことを意識していないまま、1人で家でやっても先に進まないことが多いんですよね。巻き込んでいかないとなかなか続くものじゃなくて、それがとても難しい。

大学生でDJをやっていて、社会人になって、卒業とか言ってやめちゃう人も多いと思うんですけど、巻き込めなくて興味を失っちゃう感じもよくわかるんです。環境の変化に対応するのも大変ですし。コレクターのようにレコードを集めるだけなら、趣味として成立するんですけど。

とはいえ、やはり細分化していった分、硬直化して、身内感が増すところもあって、元々多様性を尊ぶようなところがDJにはあると思うんですけど、閉塞感があるな~と感じる瞬間もあります。

僕はチャラチャラしたパーティーでも、ドがつくほどアンダーグラウンドなパーティーでも、かかっている音がイケてて、遊んでいる人達が楽しそうであれば、 オッケー!って人なんですが、その遊び方の違いも含めて、まるっと楽しめて、どちらでもない、っていうパーティーはなかなかないな~って、ここ最近より感じるようになりました。

根っからのオーガナイザーみたいに思われること多いんですが、いわゆるクラブでのオーガナイズって、20歳の時に単発1回きりでBallで平日パーティーをやったきりで、ぜんぜんやってこなくて…。実は週末のレギュラーパーティーのオーガナイズはcommunication!が初めてなんです。しかも28歳の時に始めたんで、10年近くかけてようやくというか…そういうことを書くと遅いとか言われちゃいそうですけど。まあ、事実ですし。

それまでは、カフェやらレストランやらビーチやらに機材持ち込んだりしながら、パーティーをやっていたし、レギュラーでDJしている場所もクラブではないことが多かったんですよね。クラブは遊びに行くところで、パーティーするには敷居が高いと思っていたわけです。カフェやレストランで、っていうのも自分の好みが内省的で暗い音楽が多いんで、ちょうどよかった。

なので今でもクラブは簡単にDJさせてくれるところではないっていう気持ちです。やっぱり色々な期待に応えなければいけないとダメだし、とりあえずDJできればいい、って気持ちにはなれない。そういう意味では貴重かもしれません。

だからcommunication!も当時青山蜂の店長になったばかりの風間君が、たまたま声をかけてくれて、まあ、ここでイエスと言わなければ、一生クラブでオーガナイズやる機会ないかも、と思って始めました。

当時はこれでコケたら、ちょっとオーガナイズどころか、DJもできなくなるかもしれない、と思っていたのも、ある意味大きかったです。ひたすら続けて、賑わいも、音の良さも発展させていこう、って。だらだらやるんじゃなくて、手探りだけど、ちゃんと考えながらやろうって。

それが5年も続いて、僕やレジデントのDJも含め、色々な現場でDJしているわけですから、感慨深いですよね~。

このパーティーについても賛否両論周囲からも言われることもありましたが、僕自身が何を考えていたかというと、僕のよう にどこにも居場所がないというか、疎外感を感じている人は実社会にはけっこう多くて、その受け皿をつくりたかったのがcommunication!でした。

音楽に興味を持っている人で、根っからの遊び人じゃないような人って多いですし、現状のそういう人達にとっての音楽に関連する遊び場って、真っ先に思い浮かぶのがフェスだったりすると思いますが、それだけじゃない、っていうのが僕が考えていたことで。日常とハレがバッツリ切られているわけじゃなく、日常に延長線上にもハレな感じがあれば楽しいって。さらに言えばその楽しさはカラオケや家での鍋パーティーや飲み会だったりとは違うものでありたいっていうこと。日常の営みの中に音楽だったり、DJだったりがあればいいな、と。

それが冒頭のテーマとつながってくるわけですが、僕は、地下活動をしているわけでもなく、セレブでもなく、社交的なわけでもないし、一芸に秀でているわけでもない、もちろん音楽を生業にしているわけではない、
ただの人なわけですから、まあ、ただの人なりに面白いと思うことをやってみること、そういうことのほうが楽しいと感じたんですよね。背伸びするわけでもなく。いわゆるコマーシャルじゃないアンダーグラウンドでインディペンデントな音楽が好きなんですが、僕がステイ・アンダーグラウンド!とか言っても説得力無いですし。でもそれを好きであり続けることは自分次第なわけですよね。好きなものを好きという姿勢に関しては純粋でありたい、というか。

他の世界のことを想像し、
自分の立ち位置を客観視することができてこそ、初めて学びがあるわけで、僕にとって18歳の時から続けてきたDJは学びだし、遊びの中に常に学びがあるのが面白い。ぜんぜん金持ちじゃないけど、DJをやっているおかげでそういう人達が住む世界を覗くことができるし(今年のカウントダウンはまさにそんな感じ)、もちろん音楽で勝負している人達の営みも間近で見ることができる

DJをやっていたから、世界を地続きで感じることができている。
communication!をやったことで視野が広くなりました。

なので、communication!
を終えるっていうことには悲壮感はないです。むしろ始まることもあるはずと感じています。

communication!についてだけじゃなく、
そういう気持ちでいられるようにしてたいと思う今日この頃です。

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