2009年3月22日日曜日

今日の一枚 Dieter Reith 「A HAPPY AFTERNOON」



今日の一枚 Dieter Reith 「A HAPPY AFTERNOON」

エルジー・ビアンキのSABA音源は正確には一枚だけではありません。「PIANO×4」という当時新鋭のピアニスト4人を集めて録音したアルバムからもその演奏を聴くことができます。
ディーター・ライスもそのアルバムの中で何曲か披露している1人です。
今日はそんなディーター・ライスのリーダ作を選んでみました。特にこのアルバム、昔から「時計のライス」と親しまれているらしく(こういうことを言うジャズ喫茶世代とは付き合いがないので、はたして本当に言われているのか分かりませんが…)、ヨーロピアン・ジャズ愛好家の中でもとりわけ人気の高い一枚ですね。タイトルが示す通り、全編優雅でご機嫌な演奏が楽しめます。ただ、やはりオリジナル盤は数万円はするので、聴いてみたい方は再発盤を粘り強く掘り当てるか、CDで聴いてみてください。僕がよくかけている曲は「WIVES AND LOVERS」、僕のMIXや各種コンピレーションCDにも収録してあります。名曲ですね。

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1415128

2009年3月18日水曜日

今日の一枚 Elsie Bianchi 「SWEETEST SOUND」



今日の一枚 Elsie Bianchi 「SWEETEST SOUND」

昔、SABA/MPSのレア音源のアナログがかなりのタイトル再発されたことがあります。ユニヴァーサルからの正規再発でしかも180g重量盤で音質も良いということで、僕これ全カタログ買いました。ただ、全部が好みのアルバムというわけではなく、何枚かは放出しましたけれど。デイブ・パイクもノヴィシンガーズもその時再発されて、手元に残してあるアルバムです。そして、今日の一枚のエルジー・ビアンキのこのアルバム、これも僕が所有しているのはこの時の再発盤です。ちなみにオリジナルはレア過ぎて、一時期は10万円前後しました。とても手が出せません…。

エルジー・ビアンキは僕の知る限りにおいては、「SWEETEST SOUND」以前に地元スイスのマイナーレーベルから10インチを2枚出したのみ(これも再発盤持っていました)で、その音楽活動はあまり知られていません。そして、この「SWEETEST SOUND」を録音していなければ、たぶんその存在は忘れ去られていたでしょう。それくらいこのアルバムは素晴らしい。彼女のリラックスした歌とピアノの演奏がその大半ですが、インストナンバーで、僕のMIXCDや多くのコンピレーションに収録されたスリリングな「LITTLE BIRD」がやっぱり秀逸。このマイナーな曲をなんでこの人が!?って思ったりしましたが、エルジー・ビアンキ、どうもアメリカで演奏活動していたらしく、その時にこの曲の作者、ピート・ジョリーと仲良くしていたようですね。ピート・ジョリーの「LITTLE BIRD」というアルバムも素晴らしいので、気になった方はこちも聴いてみてください。

まだまだ、SABA/MPSネタを続けていきます。

2009年3月14日土曜日

今日の一枚 Novi Singers 「NOVI IN WONDERLAND」



今日の一枚 Novi Singers 「NOVI IN WONDERLAND」

シンガーズ・アンリミテッドと同じく、MPSの前身のレーベルのSABAからリリースしているコーラスグループといえば、ポーランド出身のノヴィ・シンガーズですね。しかも、このアルバムに収録の「SECRET LIFE」は昨日紹介した「STONE GROUND SEVEN」と同じく、UFO「UNITED FUTURE AIRLINES」ネタであります。同じレーベルのコーラスグループの曲をその1曲にサンプリングするセンスは当時のUFOさすがです。みんな「UNITED FUTURE AIRLINES」→「STONE GROUND SEVEN」→「SECRET LIFE」ってつないでいませんでした?そんなことないですか?
さて、そんな「SECRET LIFE」よりも、もうすごく好きなのが「ALICE IN WONDERLAND」です。僕のMIXCDにも収録していますが、とても寒い日に部屋でコーヒーを飲みながら聴きたくなる曲です。なぜか、この曲を聴くのはいつも冬の時期ばかりですね。この曲の圧倒的な白さがそういう気持ちにさせるのかもしれません。優美で儚い、ノヴィ・シンガーズのコーラスは、黒人的なメローさとは対極にあります。全く違うものではあるんですが、等しくお洒落で素晴らしい音楽です。音楽を聴くと“いいものはいい!”という当たり前の立ち位置を思い出させてくれます。

それにしてもこのアルバムジャケット、一体何をしたいんでしょうか?
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1426617

2009年3月13日金曜日

今日の一枚 The Singers Unlimited 「JUST IN TIME」



今日の一枚 The Singers Unlimited「JUST IN TIME」

MPSレーベルを代表するミュージシャンというと、やっぱりすぐに頭に浮かぶのは、オスカー・ピーターソンだったり、今回のシンガーズ・アンリミテッドですよね。このレーベルには日本盤では売られていないマイナーだけど名盤みたいなのがたくさんありますが、この両者のアルバムは中古レコード屋で日本盤が二束三文で売られています。特にシンガーズ・アンリミテッドのこのアルバムはMPS入門アルバムにはぴったりかと思います。
まずは、UFOの「UNITED FUTURE AIRLINES」ネタでも知られる「STONE GROUND SEVEN」を聴いてもらいたいですね。DJの時にもよくかけた懐かしい曲ですし、今でもよく聴きます。
シンガーズ・アンリミテッドは多重録音による複雑なコーラスワークを駆使したことで有名なコーラスグループで、いかにもそれがヨーロッパ随一の高い録音技術を持っていたMPSレーベルらしいのですが、超絶技巧のコーラスワークを誇るかのようなアルバムよりも、チェロやピアノトリオをバックにのびのびとスイングするこのアルバムが僕は好きです。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000CSUX02?ie=UTF8&tag=sorasora04-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=B000CSUX02

2009年3月12日木曜日

今日の一枚 Dave Pike Set 「NOISY SILENCE, GENTLE NOISE」



今日の一枚 Dave Pike Set 「NOISY SILENCE, GENTLE NOISE」

もうすごく懐かしいですが、僕がシタールにハマったきっかけになった一曲といえば、こちらに収録されている「MATHAR」です。90年代のレア・グルーヴ・ムーブメントの渦中にいた人なら聴いたことがないなんて人いないでしょ。確か、ポール・ウェラーがこの曲カバーしていますよね。
当時(94年くらい?)、TALKIN JAZZ(しかもvol.2)という60~70年代のドイツ産JAZZ(MPS/SABAレーベルが中心)をジャイルス・ピーターソンがセレクトしたCDを聴いて、ヨーロピアンジャズの虜になりました。ただ、昔はここら辺のアナログはいまよりもリイシューが少なくて、レコードでもあまり手に入れることができず、悔しい思いをしていました。そんなわけで、MPS/SABA音源のレコードは今も相変わらず掘り続けています。

ちなみに、Dave Pikeはヴィブラフォン奏者です。「MATHAR」のインパクトが強過ぎですが、他に収録されている曲もなかなかよいですね。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1426625

2009年3月9日月曜日

今日の一枚 Ananda Shankar 「ANANDA SHANKAR」



今日の一枚 Ananda Shankar 「ANANDA SHANKAR」

週末のあまりのバタバタっぷりに更新が遅れました…。
ノラ・ジョーンズのお父さんがあの伝説のシタール奏者ラヴィ・シャンカールだと知って、ビックリした人は多いと思います。僕もその1人です。
そこで、今日はそのラヴィ・シャンカールの甥っ子(ってことはノラ・ジョーンズのいとこ)で、同じくシタール奏者のアナンダ・シャンカールのこの1枚。
僕はそんなに民族音楽は詳しくないんですが、シタール独特の音色は好きですね。これはもうシタール音楽、ならびにエキゾ音楽の入門的なアルバムです。
http://www.amazon.co.jp/Ananda-Shankar/dp/B00000I50X

ロック好きな人は意外と持っていますね、このアルバム。実はその方面ではけっこうスタンダードなのかも。

2009年3月7日土曜日

今日の一枚 Norah Jones 「COME AWAY WITH ME」



今日の一枚 Norah Jones 「COME AWAY WITH ME」

ということで、ノラ・ジョーンズです。これ、今さら僕が紹介するまでもないですが、最高ですよね!嫌いな人っているのかな?とりあえず、休日の朝、最初に針を落とす1枚だったりします。
自分の家の音響システムと、僕の持っているアナログ重量盤との相性が絶妙で、いつもその丁寧な音創りに感嘆しています。洋楽を聴き始めるきっかけには、最良のアルバムです。

それにしても、良質な音楽(どういう定義だ!?)が好きっていう傾向がこの『今日の一枚』には顕著に出ていますね。広ーく色々な音楽を聴いていると、この音楽は普遍的だなー、いつの時代に聴いても素晴らしいんだろうなーというのが、だんだんわかってきます。名盤しか紹介しないのもどうかとは思いますが、やっぱりいいですよ、名盤。
逆に深く掘り下げていくのもDJとしては必要なんで、日頃のディグも重要ですね。最近はもっぱら買うのはHOUSEばかりなんで、あらためて色々な音楽に触れていないとダメだなと痛感している日々です。

時間が余っていたら、アルバムを通しで聴いてみましょう。部屋の空気や時間が和んでいくのがわかります。
http://www.amazon.co.jp/Come-Away-Me-Norah-Jones/dp/B00005YW4H/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=music&qid=1236321626&sr=1-1

2009年3月6日金曜日

今日の一枚 Talib Kweli 「EARDRUM」



今日の一枚

Talib Kweli 「EARDRUM」

ノラ・ジョーンズが客演したHIPHOP作品は、昨日のQ-ティップの新譜だけではなく、その一年前の2007年にリリースされた、このタリブ・クゥエリの「EAR DRUM」もけっこう話題になりました。

盟友モス・デフとのブラック・スターで、一時代を築いた稀代のリリシスト、タリブ・クゥエリ。僕この人のラップ好きなんですよねー。このアルバムでも独特のフロウは健在です。客演もバラエティーに富んでいてらしさが出ています。特にロイ・エアーズ、カニエ・ウェストを客演に迎えた「IN THE MOOD」のラップはかっこいいなー。カニエ・ウエストの拙さが逆に際立ちます。
好きな楽曲は、R&B好きなのがモロに出てしまいますが、メロー過ぎて最高のミュージック・ソウルチャイルドを迎えた「OH MY STARS」、そしてDJの時にかけまくっているジャスティン・ティンバーレイクとの「THE NATURE」はカッコ良過ぎますね。ジャスティン・ティンバーレイクを見る目が変わりました。

こういう良質のHIPHOPアルバムがもっと受け入れられるといいですが…。
http://www.amazon.co.jp/Eardrum-Talib-Kweli/dp/B000SO7ON4

2009年3月5日木曜日

今日の一枚 Q-tip 「THE RENAISSANCE」



今日の一枚 


Q-tip 「THE RENAISSANCE」


コモンの気になる最近の話題としては、Q-ティップとのユニットTHE STANDARDでしょー。

具体的な話がどこまで進んでいるかはわかりませんが、HIPHOP好きなら否が応でも期待してしまいますね。


さて、そのユニットの音のプロデュースは、もちろんQ-ティップがその大半をやりそうですが、彼の新作「THE RENEAISSANCE」の完成度の高さはやっぱり凄過ぎます。僕にとっては去年のベストアルバムです。

ATCQ時代のインパクトがあるかと言えば、そうはもちろん思わないんですが、いい意味で力の抜けた彼の贅沢な音創りを堪能できる一枚。あまりこういう言葉で片付けてしまうのはよくないんですが、本当にお洒落!当たり障りのない音楽をカフェでかけたりするくらいなら、このアルバムを通しでかけてほしい。来日公演の最後で歌った、ノラ・ジョーンズとの「LIFE IS BETTER」、盟友デイアンジェロとの「BELIEVE」、シングルカットされた「GETTIN’UP」などなど、全曲素晴らしいです。
でも、これがカフェとかでかかっていたら、僕はちょっと好き過ぎて、心が躍って落ち着かないかもしれませんねー。


2009年3月4日水曜日

今日の一枚 Common 「LIKE WATER FOR CHOCOLATE」





今日の一枚 

Common 「LIKE WATER FOR CHOCOLATE」

昨日紹介したスラム・ヴィレッジとコモンの「THELONIUS」は実はこちらに収録されています。ジェイ・ディー、クエスト・ラヴ、ジェームズ・ポイザーらのプロデューサーチーム、ソウルスクエリアンズが全面的に関わったこの作品は、HIPHOP史に残る大傑作ですね。アルバムジャケットには「COLORED ONLY」と書かれた水を飲む黒人女性の写真が採り上げられていて、コモンがこのアルバムに込めた思いを窺い知ることができます。黒人であることを真摯に見つめたコンセプトアルバムとしても素晴らしい内容です。

ジェイ・ディーによるプロデュースの曲の中でも特に人気の高い「THE LIGHT」もこちらに収録。ボビー・コールドウェルによる名曲「OPEN YOUR EYES」を大胆に引用したこの曲は、日本公演でのアンコールでもコモンが披露してくれました。あれは泣けたなー。

http://www.amazon.co.jp/Like-Water-Chocolate-Common/dp/B00004S51H

2009年3月3日火曜日

今日の一枚 Slum Village 「FANTASTIC.VOL.2」



今日の一枚 


Slum Village 「FANTASTIC.VOL.2」


ジェイ・ディーがかつて在籍したHIPHOPグループといえば、スラム・ヴィレッジですが、この脱退する前の2ndは、ジェイ・ディー関連作品の中でも1、2を競う完成度の高さですね。デトロイトのアンダーグラウンドのHIPHOPが注目されるきっかけにもなったアルバムですし、以降のデトロイト産の音楽が進むべき方向性を示したターニングポイントともなりました。

一切捨て曲無しという、素晴らしいクオリティーなんですが、「TELL ME」のディアンジェロ、「HOLD TIGHT」のQ-ティップとの相性の良さはやっぱり抜群だなー。

CDのボーナストラックには、コモンとの「THELONIUS」も収録!こちらも最高!

HIPHOP聴き始めの人に薦めたい一枚です。




2009年3月2日月曜日

今日の一枚 Jay Della 「THE SHINING」



今日の一枚


Jay Dalla 「THE SHINING」


ディアンジェロもドゥエレも参加しているのでこちらを。

ジェイ・ディラ a.k.a ジェイ・ディー。彼の遺作となってしまったこのアルバムはこれから彼が進もうとしていた音の片鱗を感じ取ることができますね。本当に生きていたら今頃どんな音を創ってくれたんだろうと思います。

今は「SO FAR TO GO」を聴いて思いを馳せます。


2009年3月1日日曜日

今日の一枚 Dwele 「SOME KINDA」



今日の一枚

Dwele 「SOME KINDA」

デトロイトのディアンジェロ、なんて言われて久しい、この人、ドゥエレ。デトロイトのHIPHOP好きで知らない人はいないと思いますが、最近はカニエ・ウエストのアルバムでもフックで参加してますね。
僕が好きなのはこのセカンドです。これも本当にメロウな素敵なアルバムで、完成度めちゃくちゃ高いです。3年くらい前に行ったコットンクラブでの、このアルバムのリリースを記念したツアーライブも素晴らしかった。彼自身の歌声もさることながら、流麗なエレピプレイにも心を奪われました。ライブの後にサインしてもらい、その気さくな人柄にも惹かれましたね。そういえば、確かジェイ・ディーが死んだばかりの時で、そんな話もしました。ドゥエレもまたジェイ・ディー亡き後のその意志を継ぐ1人ですね。ジェイ・ディーって偉大だよなー。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1472669